レジンの特徴やセラミックとの違いについて

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2019年7月29日

虫歯治療を受けたことがある人なら「レジン」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。軽度から中等度の虫歯であれば、コンポジットレジンを使って治療を完了させることが多いからです。それだけに、レジンという材料がどんなものなのか気になりますよね。ここではそんな歯科用の「レジン」について、素材の特徴や耐久性、メリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

 

レジンについて

レジンの特徴

レジンは、プラスチックの一種です。一般的な虫歯治療で用いられるのは「コンポジットレジン」と呼ばれる素材です。虫歯治療によって生じた穴に馴染みやすいよう、使用する段階ではまだ柔らかい形状をしています。そこに光を照射すると化学反応が起こって硬化します。患者さまの歯に合わせるために、さまざまな色のレジンが存在しています。

 

レジンの耐久性

レジンは、天然の歯と同じような色をしていて、一見すると丈夫そうに見えるのですが、あくまでプラスチックであるということを忘れてはいけません。毎日使っていく中で、摩耗や変色などが起こっていきます。コンポジットレジンの具体的な寿命は、2~3年といわれています。もちろん、症例によってはもっと短くなることもあります。ですから「レジンは一生使えるもの」とは思わず、定期的に歯科でチェックを受けることが大切です。破折などが生じると、そこから虫歯が再発することも珍しくありません。

 

コンポジットレジンによる治療の手順

軽度から中等度の虫歯であれば、コンポジットレジンを使って、即日治療を完了させることも可能です。もちろん、保険は適用されます。そんなコンポジットレジンによる治療は、以下の流れで行われます。

 

①虫歯になっている歯質を削る

②プライマーと呼ばれる液体を塗って歯とレジンの接着を良くする

③ボンディング材を塗って歯とレジンを接着する

④コンポジットレジンを流し込む

⑤光を照射してレジンを固める

⑥不要なレジンを削り取って歯面を磨く

 

レジンを用いた治療の種類

軽度の虫歯では、コンポジットレジンを充填するだけで治療が完了しますが、重症化した虫歯では、他の材料も組み合わせることもあります。

 

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠とは、土台となる部分を金属、外側を硬質レジンで作製した被せ物です。内側を金属にすることで耐久性が高まるため、奥歯の治療に用いることができます。外側は歯と同じ色をしたレジンであることから、審美性も確保することができます。

 

硬質レジンジャケット冠

硬質レジンジャケット冠とは、硬質レジンという比較的丈夫なレジンのみで作られた被せ物です。コンポジットレジンよりは丈夫で経年的な劣化も少ないです。
現在、保険診療範囲は第一小臼歯(4番)と、第二小臼歯(5番)のみ適用されます。

 

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングとは、審美治療で行われることが多い施術法です。歯の形や色など、見た目の問題を改善する上で非常に有用です。例えば、元からサイズが小さく、変色しているような歯に対して、レジンを直接盛ることで、正常な歯と同じような見た目に仕上げることができます。ちなみに、使用するレジンは通常のものとは異なります。

 

レジンのメリット・デメリット

レジンのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りになります。

 

レジンのメリット

・保険が適用される

・治療が1日で完了する

・天然の歯に近い色を再現できる

・歯を削る量を最小限に抑えられる

・比較的軟らかいため天然の歯を傷つけない

・再治療が容易である

 

レジンのデメリット

・経年的な変色や摩耗が大きい

・割れたり欠けたりすることが多い

・強い力がかかる部分には使用できない

 

審美歯科で用いられるレジン

高品質なレジン

審美歯科で用いられるレジンは、保険診療で用いられるレジンよりもいろいろな点で品質が高いです。具体的には、天然の歯の色や質感を再現しやすいような特徴を備えています。また、耐久面においても保険診療用のレジンより優れていることが多いです。

 

歯の形や色を手軽に改善できる

上述した通り、審美歯科用のレジンを用いることで、歯の形や色を比較的簡単に改善することができます。何より「大切な歯質をあまり削らなくても良い」のが大きなメリットといえます。

 

セラミックとの違い

レジンと同じような白色の素材に「セラミック」があります。虫歯治療でも広く活用されている素材で、とりわけ「オールセラミック治療」はさまざまな点でレジンによる治療と異なります。

 

見た目が美しい

セラミックとは、白色の陶器に使われている素材とほぼ同じものであると考えて問題ありません。天然の歯の色や質感、光沢などを極めて精密に再現することが可能です。

 

耐久性が高い

セラミックはレジンと比較にならないほど丈夫です。それはセラミック製のお皿を想像していただけたらわかるかと思います。ただし、ものすごく強い衝撃が加わると欠けてしまうことがあります。

 

経年的な劣化が少ない

セラミックは、時間が経過しても摩耗や変色がほとんど起こりません。そのため、再治療が必要となることも極めて少ないです。

 

まとめ

このように、歯科治療に用いられるレジンには、さまざまなメリット・デメリットがあります。そうしたレジンの特徴を踏まえると、やはりセラミックの素晴らしさが際立ってしまいます。ですから、経済性を優先するのであればレジン、審美性や機能性、耐久性を優先するのであればセラミックといった具合に、優先順位をつけてから治療を選択することが大切といえます。

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